地域メッシュの産みの親はフィンランド人?

”地域メッシュ””メッシュコード”って?

3rd Party Data Galleryにおいても当然のように使っていますが、聞きなれないという方のために少しまとめ記事を書いてきました。

地域メッシュとは、緯度経度に基づき地表面(日本だけでなく世界も)を正方形の網の目状に区切ったもので、その正方形毎に振る固有の番号がメッシュコードです。例えば一次メッシュ区画は、東経100度、北緯0度を基準とし、各度の経線と、偶数緯度及びその間隔を3等分した緯線とで縦横に分割した区域です。少し難しい話になりますのでご関心がある方は国土交通省の国土数値情報ダウンロードサービスもサイトを見て見てくださいね(こちらから)。

さてこの地域メッシュ、エリアマーケティングの世界ではなくてはならない考え方です。この手法によれば地域の実態をより詳細にかつ同一の基準で把握することができるので、統計調査ごとに独自に設定される調査区の区画や面積の相違にとらわれることなく地域間比較や時系列比較など異なる統計調査の結果を同一の条件で分析できるという特徴があります。

ちなみに地域メッシュの考え方は、地理学の分析手法の一つとして開発されたもので、1929年にフィンランドの地理学者グラニョーが1キロメッシュを用いて自然減少や社会事象の地域的分析を行った論文を発表したのが始まりと言われています。タイトルに”産みの親はフィンランド人”と書いたのはそれが理由です。地域メッシュの考え方が世に生まれて88年となります。

改めて地域メッシュの利点を箇条書きにすると・・・

  • 地域メッシュは、ほぼ同一の大きさ及び形状の区画を単位として区分されているので、地域メッシュ相互間の事象の軽量的比較が容易です。
  • 地域メッシュは、その位置や区画が固定されていることから、市町村などの行政区画の境域変更や地形、地物の変化に夜調査区の設定変更などの影響を受けることがなく、地域事象の時系列的比較が容易です。
  • 任意の地域について、その地域内の地域メッシュのデータを合算することにより必要な地域のデータを容易に入手できます。
  • 地域メッシュは、緯度経度に基づき区画されたほぼ正方形の形状であることから、位置の表示が明確で簡便にできるので、距離に関連した分析、計算、比較が容易です。 

となります。ただ地域メッシュに即して統計データを作成するには技術的な難しさがあるようです。地域メッシュは緯度・経度によって区切られていますが、通常統計データは不規則な形状・面積の地域単位(調査区)で調査・集計されています。したがって、このようなデータを地域メッシュの区画に組み替えるには統計調査地域と地域メッシュとの対応付けを行う必要があり、この組み替えには多くの時間と労力を要すそうです。そのような時間と労力をかけても調査区単位で集計された統計データを地域メッシュ単位に集計しなければならない理由は、小地域統計に対する需要の拡大が背景にあります。

そのきっかけとなった事象が「昭和の大合併」と言われています。戦後、行政事務の能率的処理のため、規模の合理化が必要との判断から、昭和28年の町村合併促進法(第3条「町村はおおむね、8000人以上の住民を有するのを標準」)及びこれに続く昭和31年の新市町村建設促進法により、「町村数を約3分の1に減少することを目途」とする町村合併促進基本計画が打ち出され、昭和28年から昭和36年までに、市町村数は9,868から3,472とほぼ3分の1になりました。それに伴い一市町村の面積も約3倍と拡大したにも関わらずところが統計の集計・表示単 位は従前どおり市町村単位のままであったことから、より小さい区域の統計データの必要性が増し、昭和48年に行政管理庁(現)により、統一的な作成方法などを定めた「統計に用いる標準地域メッシュ及び標準地域メッシュ・コード」として告示され、日本における地域メッシュが生まれました。今から約44年前のことです。

また、地域メッシュ統計と共に,昭和45年国勢調査から平成2年国勢調査にかけては,都市部の市域内を細分化した「国勢統計区」を設定し、平成7年国勢調査から, 市区町村を町丁・字等別に細分化した「町丁・字等別集計」が導入されました。

そして現在小地域統計としては、メッシュ単位と町丁目単位が選択できるようになりました。3rd Party Data Galleryで取り扱っているデータ群も多くがこの2つの集計単位のデータをご用意していますが、目的・用途に応じて使い分ける必要があります。

具体的に見ていきましょう。以下は人口総数のデータを、それぞれ町丁目単位(左)と500メートル四方のメッシュ単位(右)で分布表現しています。色が赤くなるほど人口密度が高く、青くなるほど人口密度が低いことを表します。図の中心、中央区勝どき、月島エリアを見ていくとエリアの色の差の違いが左右でかなり異なります。メッシュは全国どこでも大きさが均一ですが、町丁目はそれぞれ大きさが異なり、一般的に大きな町丁目ほど人口が多くなります。勝どき、月島は東京都特別区の他区画に比べて一町丁目の面積が小さいためこのような結果となっています。

各店舗の商圏単位でマーケットボリュームや居住者の属性を把握するなどのプランニング段階であればメッシュ単位のデータの方が均一な分析ができます。ただし、DMを打つポスティングを行うなどのアクションを行う段階になると住所にひもづく情報が必要になるため町丁目データの方が紐づけやすく利便性が高いと言えます。

3rd Party Data Gallery On Demandでは3種類の人口・世帯を把握するためのコンテンツをご用意しています。

  1. 4次メッシュ単位で人口・世帯を集計した「エリアポテンシャル分析(2010年世帯人口数)
  2. 町丁目単位で人口・世帯を集計した「エリアポテンシャル分析(2010年世帯人口数)
  3. 町丁目の一つ上の市区町村単位で人口世帯を集計した「平成27年国勢調査 人口等基本集計

 3は気軽にお試しいただくことができる無償コンテンツです。また1、2も利用期間90日でそれぞれ9000円と15000円。地域メッシュ単位で集計したデータをプランニングに利用した後に、お申し込みデータを切り替えて町丁目単位で集計したデータを活用してアクションを起こすなどの使い分けもし易い提供モデルになっています。

まだご利用いただいていない方は”3”の無償コンテンツからでもご利用くださいね。

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