2016年上半期訪日外客数1,000万人突破。ロンプラに見る日本

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Lonely Planetというガイドブック、ご存知ですか?

海外旅行の計画を立てる時「地球の歩き方」を参考にする方、多いんじゃないでしょうか。

Lonely Planet(通称ロンプラ)はその海外版。世界言語として圧倒的シェアを持つ英語本業界の旅行ガイドで、一説によると世界シェア25%を占めているそうです。その魅力は圧倒的な情報量の多さ。写真は少なく一見シンプルなのですが、観光地・交通の案内の他に、その地域の文化・歴史・マナー・気候など、事細かに情報が盛り込まれています。7月は年間を通じ、訪日外客数が最も多い時期。意識して観光客らしき方々の手元を見ると、ロンプラを持っている方がいるかもしれませんね。

なぜいきなりロンプラの話を始めたかというと...7月20日にJNTOから月次の訪日外客数速報値発表がありました。2016年上半期の累積で約1,171万人。遂に半年で1,000万人を突破しましたね。JNTOのプレスリリースを読み進め「地域別訪日旅行市場の概況」のイタリアの部分で気になるセンテンスを見つけました(JNTOの報道発表資料はこちら)。

“また、昨年、イタリアで主要なガイドブックのひとつである「ロンリープラネット」の選ぶ 2016 年のベストデスティネーションで日本が 2 位になったことも、日本への関心を高める一助になっているものと推察される”

今までにも、某米旅行情報誌のBest Cityに京都が選ばれるなど話題になりましたが、メジャーなガイドブックのアワードならさぞかし影響力があるはず!あわせてどのように日本の魅力を評価しているのか気になるところです。では具体的に見ていきたいと思います。

今回のBest in Travel 2016は国だけでなく、都市、地域別にTop10が選出されています。日本が2位にランクインした“国”別ランキングの1位は経済成長と自然保護を両立させたアフリカのボツワナでした。以下10位までをご紹介します(http://www.lonelyplanet.com/best-in-travel)。

1位 ボツワナ
2位 日本
3位 米国
4位 パラオ
5位 ラトビア
6位 オーストラリア
7位 ポーランド
8位 ウルグアイ
9位 グリーンランド
10位 フィジー

日本については、以下のように高い評価をいただいていて、嬉しい限りですね。

“Japan. It might be number two in this year’s rankings, but it’s always number one for travellers in search of an otherworldly experience.”

~今年のランキングでは2位だが、別世界の体験を求める旅行者にとっては常にナンバーワンの存在~

また、我々日本人から見ると当たり前になっているものを取り上げていたり、少し誇張しているのではないか?という書かれ方をっしていてなかなか面白かったです。

例えば自動販売機について“550万台の自動販売機では、傘、タバコ、乾パン、ホットヌードル等ありとあらゆるものが販売されている”と記載していたり、流行りものとして“アニマルカフェ”を挙げ、“ネコカフェだけではない、ヤギとお酒を、カメとお茶を、そしてペンギンを見ながらウイスキーが飲める”と述べていたり、“日本ではトイレットペーパーより漫画に紙が多く使われていると思われる、そして驚くべきことにその両方が自動販売機で販売されている”と、ここでもまた自動販売機が出てきました。

このような体験も面白いのでしょうが、観光地、景勝地としての評価が知りたいなぁと思うところですが…ちゃんと記載がありました。“人生を変えるような経験”として、スペインのサンティアゴ・デ・コンポステーラの巡礼ルートに次ぐ世界で最も有名なルートとして紀伊半島の「熊野古道」を挙げています。特におすすめのコースとして、熊野本宮大社から西に延びる“中辺路”を挙げており、2004年にユネスコの世界遺産に認定された後、このルートを歩く海外のハイカーが着実に増えていると記載しています。

では熊野古道が位置する和歌山県を訪れる訪日外客数の変化を、3PDG On Demandの無償コンテンツ「宿泊旅行統計調査(外国人) 国籍/月別宿泊者数」を使ってみていきたいと思います。

以下の図は2007年から直近2016年4月までに“和歌山県に宿泊した”外国人観光客の数の推移を棒グラフで表したものです。左側が全数、右側はエリアをヨーロッパに限定したものです。

2015年の昨年対比数字で、全数は61.6%増であったのに対し、ヨーロッパのみの場合は130.9%増と2倍を優に越える勢いで増えています。ロンプラの影響があるのかもしれませんね。

ではここからは3PDG On Demandの有償コンテンツを使ってもう少し深く考察をしてみましょう。「宿泊旅行統計調査(外国人) 国籍/月別宿泊者数」では“和歌山県”という県単位でしか数字を把握することができませんでしたが、3PDG On Demandの有償コンテンツ「訪日外国人エリア相関流動」(ナビタイムジャパンのインバウンドGPSデータを利用して作成)では、1㎞メッシュという、詳細な粒度で人の分布を捉えることが可能です。

熊野本宮観光協会のホームページには、“田辺から熊野本宮に向かう中辺路(なかへち)、田辺から海岸線沿いに那智・新宮へ向かう大辺路(おおへち)、高野山から熊野本宮へ向かう小辺路(こへち)が、「熊野参詣道」として世界遺産に登録されています”と記載があります。 最も人気のルートはロンプラでも紹介された中辺路ですが、海岸沿いの大辺路にも人の分布が見てとれます。一方で北方向の高野山に向けては分布が見られず、小辺路は険しい山道を通る参詣道で、標高1000m近くの峠越えとなり、上り下りが厳しいため観光客にはあまり好まれないのかもしれない、ということがデータから見て撮れますね。

ではルートの中心点ともなる熊野本宮をサンプルに、ヨーロッパ諸国からの観光客がこのルート好んでいるのかを検証してみたいと思います。

熊野大社があるメッシュを選択すると…左の円グラフに国籍シェアが表示されます。今回は滞在ではなく通過を含む人口分布把握のため下のグラフを見ると、オーストラリア、アメリカ、国籍不明(アプリ登録時に国籍選択をしなかったケース)、スペイン、イタリアと続きます。やはり一般的な日本の観光地に比べアジア諸国からの観光客よりヨーロッパ、北米からの観光客の比率が高いということが推測されます。

ここまで書いていると、何だか熊野古道を歩いてみたくなってきました。

ロンプラの影響を受け、ますますこのエリアにはヨーロッパ、北米からの観光客がやってくるかもしれませんね。 ニュージーランドのトレッキングコースのように、それを目的に海外から観光客がやってくるような場所になる日も遠くないかもしれません!

引き続き情報をウォッチしたい方は是非3PDG On Demandの無償コンテンツ「宿泊旅行統計調査(外国人) 国籍/月別宿泊者数」を申し込んでくださいね(申し込みはこちらから)。

また上記のような詳細検証がしたい方は、目的に応じて訪日外国人観光客の動態分析を行うためのデータやコンテンツを揃えていますので、ぜひ一度3rd Party Data Gallery On Demandのメニューを見てみてください。分かりやすコンテンツを紹介した動画もご用意しています。

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