テーマパーク新時代?USJとハウステンボスの快進撃

 綜合ユニコム株式会社より「全国の主要レジャー・集客施設入場者数ランキング2016」が今年もリリースされました。本調査ではタイトルの通り“テーマパーク”“遊園地”“動物園”“水族館”“ミュージアム”等の施設毎に年間の入場者ランキングを見ることができます。

  北陸新幹線開通でにぎわう「金沢21世紀美術館」をはじめ、「ユニバーサル・スタジオ・ジャパン」、「沖縄美ら海水族館」、「ハウステンボス」などが過去最高入場者数を更新、「サンリオピューロランド」は周年イベントが奏功し大幅増加したそうです。今回はテーマパーク系施設のランキングをピックアップしてみました。

[テーマパーク 集客ランキング 上位5施設 ※入場有料施設]

東京ディズニーランド・東京ディズニーシー       30,191,000人(96.2%)

ユニバーサル・スタジオ・ジャパン           13,900,000人(109.4%)

ハウステンボス                    3,107,000人(111.2%)

サンリオピューロランド                  1,580,000人(125.4%)

琉球村                          1,360,000人(91.9%)

 

  今年4月、東京ディズニーリゾート(TDR)を運営するオリエンタルランドが2016年3月期のテーマパーク事業が減収減益となったことを発表しました。入場者数減の一要因としては15年4月に実施したチケット価格の値上げが挙げられるでしょうがそれは織り込み済みであったはず。1人当たりの売上高の上昇が予想に追いつかなかったことも減収の一因ではないかとされています。

  一方、メディアでもTDRと対比されるUSJ。2015年3月期については、ハリポタエリア効果で増収増益を発表していましたが、2016年決算については、米ケーブルテレビ大手コムキャストに買収され、今年4月に書類上新会社に移行したこともあり開示されていないようです。開業した2001年度こそ入場者数は1100万人を超えていましたが、2010年度には約750万人まで低迷。それが2011年度は870万人、2012年度は975万人と2年連続で100万人以上伸ばし、2013年度は1050万人に達した。家族層を取り込むための“ユニバーサルワンダーランド”のオープン、閑散期である10月に企画したスペシャルイベント“ハロウィン・ホラー・ナイト”と次々と打ち手が功を奏しているUSJ。発表はなくても、上記入場者数からも好調であろうことは容易に想像がつきますね(画像:PR Times)。 


3位にランクインしたハウステンボス(HTB)。1992年の開業以来18年間にわたり赤字経営が続いていましたが、2010年に再建のため大手旅行代理店のエイチ・アイ・エス傘下に入った後の躍進ぶりはニュース等で目にした方も多かったのではないでしょうか?「滞在型の大人のリゾート」という創業以来のコンセプトを捨て、“総合レジャー施設”“テーマパーク”として大幅にかじを切り直し、冬のライトアップイベント「光の王国」や、春の「100万本のバラの街」など年間を通じた季節イベント、有料ゾーンと無料ゾーンの設置といった画期的な打ち手を次々と実施することにより、不利な立地条件等をはねのけ、たった1年で黒字転換しその後も増収増益を続けていました。今月18日発表の2015年10月~16年6月期の連結決算では、熊本地震の影響が大きく、減収減益となったことを発表しましたが入場者は7月から前年を上回る水準に回復しているとのことなので、今後も期待できますね(画像:トラベルマルシェ)。

 不況期を、元P&Gの敏腕マーケター森岡毅氏、ベンチャー創業家H.I.Sの澤田秀雄社長といったカリスマの手腕により見事乗り切り堅調に集客、収益を伸ばしているという共通点はあるものの、季節毎の動員状況変化、来場層(性別・年代別傾向)に2つのテーマパーク固有の特徴がないか検証してみたいと思いました。必ずそれぞれの打ち手が数字として表れているはずです。

 ここで役に立つのが3rd Party Data Gallery On Demandの有償コンテンツエリアポテンシャル分析(モバイル空間統計)」(動画はこちら、お申し込みはこちら。本コンテンツでは、NTTドコモの携帯ネットワーク(約7,000万台)から生成される空間人口データを使用した移動人口ポテンシャル分析を行うことができます。500mメッシュ単位で性別・年代別、平日休日別の人口分布を把握することが可能で、直近過去15ヶ月間データを提供しているので年間を通じ、テーマパークがあるエリアに来ている人の傾向を把握することができます。

  さて、早速先ずUSJの傾向を見ていきたいと思います。まず注目したいのは“過去からの空間人口の推移”の折れ線グラフで、10月の休日に大きなピークが来ています。これは上述の“ハロウィン・ホラー・ナイト”が大きく集客牽引しているのではないか、また“年代別分布”の棒グラフを見ると休日40代が最も多く、次いで休日20代、30代と続きます。これは小さなお子様を連れた家族来場ではないかと想定され、同パークで当初課題とされていた家族層の取り込みが出来ているのではないかということができます。

ではHTBの傾向を見ていきましょう。“過去からの空間人口の推移”の棒グラフはUSJのそれに比べてなだらかです。年間を通じた季節イベントという注力施策が効いているのでしょう、落ち込んでいた冬季も緩やかですが山が来ています。また“年代別分布”については各年代での数値に大きな差は見られず、男女比もあまりみられません。年間を通じ幅広い年代層を呼び込むことができているということができるでしょう。実際ホームページを見てみると…世界各国のワインとチーズが大集合「ワイン祭り」、一夜限りのガーデンパーティ「花と庭の世界大会プレミアムパーティ」など、行ってみたいイベントが目白押しで驚きました。 

 USJ、HTBほどの施設になると、独自で集客調査を行いそれに基づき分析・施策検討を行っていると思われます。ただ運営にコストや人を割くほうが優先で調査に手が回らないというレジャー・集客施設ではこのようなコンテンツを活用して現状分析をしてみるのも有効かもしれませんね。上記テーマパークでは“季節イベント”を行った際には人が増えるという傾向も見えているので、レジャー・集客施設に限らず、イベントの効果検証にも応用可能です。

 色々深堀りしてみたくなりましたか? 是非皆さんも3rd Party Data Gallery On Demandを使ってみてくださいね。

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