2020年、日本の働く力〜生産年齢人口を意識する〜

統計データにおいて「年齢3区分」という定義があります。その名の通り国民を年齢によって三つに分類したもので、国勢調査等の統計データではこの区分にそって全国、都道府県、市町村別ごとに人口が集計されます。15歳未満は「年少人口」、15歳から65歳は「生産年齢人口」、65歳以上は「老年人口」と定義されます。

この記事を読んでくださっている方の大半が”自分は生産年齢人口に該当するな”と思われたのではないでしょうか?タイトルで”働く力”と記載しましたが、少子高齢化という言葉が取り上げられ、65歳以上の人口増加や年少人口の現象にばかり目が行きがちですが、人口推移のうち経済・労働環境を考える上で特に注意すべきなのが、働き手世代である「生産年齢人口」の変化です。

生産年齢人口が多いほど働き手が多いということになり税収は上がりやすい。また一般消費財の消費も増えるし、不動産売買や賃貸経済も活性化する。逆に生産年齢人口が少なくなればこれが逆転することになります。新規店舗出店や、不動産投資においては、人口総数の変動だけでなく特に「生産年齢人口」を意識してデータを見ていく必要がありそうですね。

3rd Party Data Gallery On Demandの無償コンテンツ「日本の地域別将来推計人口」(コンテンツ閲覧はこちらから)では、総人口に加え、上記年齢3区分それぞれについても、の2040年までの人口推移を閲覧することができます。なお、本コンテンツは国立社会保障・人口問題研究所が公表するデータを元に作られています。まず”将来人口ピラミッドボード”を開くと、2040年までの5年毎の人工ピラミッドと年齢3区分シェアが表示されます。

日本全国で見ていくと。2010年時点では64%あったシェアが2020年には59%、2030年には58%となっていることがわかります。2020年の総人口予測は122,226,388人なので生産年齢人口は72,113,568人。2030年の場合は114,933,301人なので生産年齢人口は66,667,315人。2010年の80,658,104人に比べ、2020年では850万人、2030年では実に1400万人近く働き手が減ってしまう。経済に大きなダメージを与える可能性があるということがわかります。

ではどのエリアで最も影響があるのか、またどのエリアは逆に良い経済循環を生み出せる可能性があるのかを検証していきたいと思います。人口集中が進んでいると思われている東京の2020年時点の生産年齢人口予想値を、同コンテンツの”人口増減率ランキングボード”で市区町村別に見たものが以下の表です。

意外にも生産年齢人口が増加すると予測されているのは、中央区、千代田区、港区、江東区、豊島区、墨田区、稲城市、新宿区のみでした。一方で過疎化が進む地方、例えば秋田県を見てみると

総人口増減率を上回る勢いで生産年齢人口が減っていっているということが明らかです。

では、東京都において2020年の段階で、最も生産年齢人口が増えると予測されている中央区ですが、全体的に増えていくのでしょうか?ここからは3PDG On Demandの有償コンテンツ「エリアポテンシャル分析(将来人口推計2014年)」を使って、さらに詳細なエリア毎の生産年齢人口の動態変化を見ていきたいと思います。このコンテンツでは市町村レベルから進んで、町丁字若しくは500メートルメッシュの小地域で集計された将来推計人口分布を5年毎に2040年まで把握することができます。

メッシュの色が赤いほど生産年齢人口増減率が高く、青になるにつれ低くなっています。勝どき周辺は増加傾向、新橋駅周辺や東京駅の東側、八重洲や日本橋エリアは減少傾向であるということがわかります。中央区は比較的増える場所と減る場所のコントラストがはっきりしています。

また、2020年時点で東京都特別区(23区)において最も生産年齢人口が減ると推定されているのは杉並区なので、杉並区についても見ていきます。

杉並区については大きな差は見られないものの、駅周辺エリアが微増で駅から離れるほど微減を表す緑のエリアが増えるが地域内における差が2020年時点ではあまり見受けられないということがわかります。

これから出店や投資を強化しようというエリアの将来の労働力、消費力を意識することは中長期経営戦略において必要不可欠です。まずは是非ユーザー登録だけで無償利用できる「日本の地域別将来推計人口」(コンテンツ閲覧はこちらから)をお試しくださいね。

なお、弊社MotionBoard Cloudユーザー様は既存の環境上で本データを閲覧いただくことが可能です。

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