2016年 訪日外客数を読み解く4つの”1番”

“2016 年の訪日外客数は前年比 21.8%増の2,403 万 9 千人”

今週17日に日本政府観光局(JNTO)より発表がありました(報道資料はこちら)。

増加要因として挙げられるのは、クルーズ船寄港数の増加や航空路線の拡充、これまでの継続的な訪日旅行プロモーションに加 え、ビザの緩和、消費税免税制度の拡充等とのことです。 

2015年度総計の昨年対比が47.1%増と大きく伸びたのに比較すると伸びは鈍化してきたようにも見えます。昨年12月に矢野経済研究所がインバウンド市場に関する調査を発表しましたが、その中で2020年時点での訪日外客数を3,679万人と予測していました。政府は昨年3月、2020年の訪日外国人観光客数の目標数を2,000万人から4,000万人に倍増しましたが、同社の予測では未達ということになります。アジア、東南アジアなどの伸びが堅調な国を維持するのと併せ、特にヨーロッパ地域からの誘致が鍵となるでしょう。これについては後述します。

さて、今回の記事では4つの“一番”に絞って2016年を振り返ってみたいと思います。興味がある方は3rdParty Data Gallery On Demandの無償コンテンツ「訪日外客数の動向」(こちらから、上記チャート参照)を見てみてくださいね。同じような、いえもっと新しい”気付き”があるかもしれません!

 

中国:2016年一番多く日本に送客した“国”

中国の訪日旅行者数は 637.3万人となりました。第二位の韓国を100万人以上引き離すダントツの1位です。クルーズによる需要の高まりと航空路線の拡充、FIT層向け「深度游(体験型観光)」を PR する特設サイトの開設などのプロモーションが功を奏し個人旅行客が増えたことがその要因と言われています。中国一国で全体の26.5%と四分の一を占めることからも、外客数の伸びと日本のインバウンド需要を支える国だということがわかりますよね。今年も引き続きよろしくお願いします!

 

東南アジア:昨年対比で一番訪日が伸びたエリア

2015年と増加率を比べた場合最も増加率が高かったのはインドネシアの32.1%です。それに次ぎフィリピンが29.6%、マレーシアが29.1%。東南アジアで唯一100万人に迫る勢いのタイ(90.14万人)と併せ、日本に関心が向いているエリアと言えます。JNTOの報道資料からはこれまでの訪日旅行プロモーションが功を奏したとの記載が目立ちました。やはり地道な訪日旅行プロモーションは重要ですね。

 

岡山県:外国人観光客が一番増えている県 

広島県、岡山県等今中国地方への関心が高まっています。訪日外国人観光客の地方誘致が非常に巧く行っている地域と言えるでしょう。

今回は「宿泊統計調査」で公表されている2016年10月までの数字を基に、1月から10月の累積を2015年と2016年で比較し昨年対比が最も高い県(ただし宿泊者数20万人以上の25都道府県に限定)は何県かを見たところ“岡山県”の61.2%となりました。昨年は香港と岡山空港の直行便が就航したこともあり(国際線はソウル、上海、グアム、北京、大連間の4路線)アジア圏からの観光客を受け入れる体制が整っています。同じく外国人観光客が増えている広島県との周遊もあるのでしょう。

岡山県では「岡山県観光立県戦略」によって、2007年度に約6万人だった外国人宿泊者数を、2013年に12万人に増加させる目標を立て、海外での訪日旅行プロモーションや、現地の旅行社やマスコミを実際に岡山県に招いて視察を行うなど、岡山県のPRを積極的に行ってきたそうです。“後楽園”“岡山城”“倉敷美観地区”など魅力的な観光資源を持っていますものね。通年の発表数字が出た段階でまた検証をしてみたいと思います。

 

北欧諸国:日本への関心が一番減ってきている(かもしれない)エリア

良いことばかりに目を向けていても2020年までに4,000万人の数値目標達成は難しいでしょう。来てくれる国もあれば来てくれない国もある。今年日本に“足を運ばなくなった”エリアがあります。それは北欧4カ国。フィンランドは11.5%減、ノルウェー、スウェーデンは約10%減、デンマークは約4%減となっています。

問題は北欧だけではありません、西欧諸国の昨対比は10%台に留まっており、イギリス、フランス、ドイツ、イタリア、スペイン等主要国は軒並み2015年集計時の昨対比を割り込んでいます。ヨーロッパ諸国では、日本のように祝日は多くない代わりに有給休暇が多く付与されます。多くの国では法律でバケーション期間が保証されているため、例外なく全ての人が長期休暇をとります。仮に休みを与えなかったとしたら雇用主が処罰を受けます。比較的長期の滞在が望める上、右記表からも明らかな通り旅のスタイルは個人旅行ということから、是非取り込みたい観光客層であることは間違いないのですが、2016年はヨーロッパ全域を併せても訪日外客数全体の5.6%という数字に留まっています。JNTOはヨーロッパ15ヵ国において、昨年11月にオンライン、テレビ、交通広告等を活用した大規模な訪日促進キャンペーンを開始しました。日本の魅力を広く伝え、2017年は多くのヨーロッパの人達に日本を訪れて欲しいですね。

3rd Party Data Gallery On Demandでは、JNTOから毎月発表される「訪日外客数」以外にも、外国人観光客の動態を分析するために有効なデータコンテンツを数多くラインナップしています。是非チェックしてみてください!

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